第1回 定例本会議
(平成15年2月19日)

 私は、都議会民主党を代表して、本日議決に付される第134号議案「平成14年度東京都一般会計補正予算(第1号)」以下全ての議案に賛成の立場から討論を行います。

まず、第134号議案以下の補正予算について意見を述べさせていただきます。
 これらの議案は、国の補正予算における公共投資の追加に対応した都市再生などの経済対策及びセーフティーネット対策に対応した緊急地域雇用創出特別基金積立などの他、都税の減収や過誤納還付金の増加などに対応するものです。
 国の補正予算は、後退局面にある経済情勢に的確に対応するため、昨年11月より民主党など野党4党が求めてきた雇用・失業対策、中小零細企業対策に重点を絞った補正予算編成要求に対して、遅ればせながら通常国会冒頭に提出されたものです。 
 その内容も、省庁別シェアの維持に見られるように従来型事業の看板の掛け替えであり、投資効果の最も高い東京都に対する国庫支出金も、一般会計1千億円余の事業に対して333億円にすぎず、東京都は721億円の都債追加発行を余儀なくされています。
 そうではあっても、これらの補正予算案では、道路・街路、首都高速道路の整備などの経済対策に1,111億円を充て、緊急地域雇用創出特別基金積立に54億円、緊急地域雇用創出特別交付金事業に4億円を充て、現下の経済情勢に対応しようというものです。不足感は否めませんが、現在の都財政の持てる力を出したものとして評価したいと思います。
 しかし、平成12年度最終補正予算では、3,597億円もの都税増収を見込みましたが、今回の補正予算案では744億円の都税の減収、景気低迷、時価会計の導入に伴う過誤納還付金の増413億円等で866億円の財源対策を求められています。景気動向に敏感に反応する都財政の特徴を示すものではありますが、今後も、今回の時価会計のような制度改正に伴う減収・過誤納還付金の増も見込まれ、環境変化に柔軟に対応できる都財政の確立が引き続き重要であります。

 次に、第48号議案「東京都男女平等推進基金条例を廃止する条例」、第49号議案「東京都国際平和文化交流基金条例を廃止する条例」についてです。
 男女平等推進基金は、その運用益金を「東京都が行う男女平等に関する調査研究、普及啓発等男女平等社会の実現に資する事業」等に充てるほか、男女平等社会に資する施設を推進するためには、「その全部又は一部を処分することができる」基金であります。
 また、国際平和文化交流基金は、その運用益金を「国際的な文化交流及び市民交流並びに都民による国際協力を推進するための事業」に充てるほか、先の基金同様、目的達成のためには「その全部又は一部を処分することができる」基金であります。
 事業に充当することとなった環境保全基金等3基金同様にその一部を事業に充当するならば何の問題も起きないものであります。
 都議会民主党も、知事が施政方針で述べられた、「果実活用型の5つの基金は、ゼロに近い低金利の中、運用の利益を見込むことができず、仕組み自体の存在意義が失われている」とする点も財政調整基金等の残高確保の重要性も理解しますが、15年度において実質的な残高が2億円となる環境保全基金、18億円となる中小企業振興基金、ゼロとなる地域福祉振興基金という、以後事業には充当しきれない基金を残し、国際平和文化交流基金及び男女平等推進基金の2基金を廃止するという点には疑義を持たざるを得ません。ならば「存在意義が失われた」5基金を廃止し、事業に充当するものと基金に積み立てるものに仕分ければいいのであります。
 また、不測の事態に備えるための基金確保の点においても、残高がほとんど残らない3基金を残しても意味はなく、かつ、国際平和文化交流基金及び男女平等推進基金として残しても、財政調整基金に積み立てても、不測の事態に際しては補正予算を組むこととなるのであり、どうしても必要な場合は、その時点で廃止しても対応できるものであります。
 東京都は、2基金を廃止しても「必要な事業は一般財源で着実に実施する」とのことですが、ならば今後の事業発展の中でその姿勢が本物であることが具体的に示されなければなりません。
 都議会民主党は、平成15年度予算案並びに関連議案の審議においてその点を質するとともに、今後の東京都の事業発展の中で、その姿勢が本物であるかどうか厳しくチェックしていくことを申し上げ、2基金廃止に賛成するものです。

 以上で都議会民主党を代表しての討論を終わります。