経済・港湾委員会速記録
(H14/3/19)

中村委員 それでは、中央卸売市場の予算等についてお尋ねをいたしますが、かなり今までに質問が出ておりまして、重複するところもありますので、そういうところは少し省かせて頂いて、質問に移ります。
 この予算の概要の中で、資本的支出、築地市場38億5917万2千円というふうにあります。施設拡張費ですね。新市場基本構想調査委託、また、防潮護岸整備工事等とあります。この二つで38億を全部使い切ってしまうのか。それから恐らくそうではない、この等というものは、色々要求が出てくるわけですけれども、この等というのが中に一番重要な問題が含まれている時もあるわけですね。そういった点から、この38億の内訳、その目的、こういったところを説明していただきたいと思います。

小山参事 14年度予算案の内訳等についてのお尋ねでございます。ご指摘の通り、資本的支出38億5,917万円でございます。
 まず、新市場基本構想調査委託費でございます、4,658万円でございます。これは、15年度に予定しております基本計画作成の前提として、市場業界と基本構想について協議を進めるための必要な調査委託経費でございます。
 次に,環境影響評価配慮書作成委託費1,047万8千円でございます。これは、新市場建設のための環境影響評価の準備として,環境配慮書を作成するための委託経費でございます。
 次に、豊洲地区防潮護岸整備工事25億1,466万4千円でございます。これは、新市場に必要な緑地の確保及び高潮対策のために必要な埋め立て護岸の整備費でございます。工事費,設計費等を含んでおります。
 次に,現在の築地市場の暫定整備等の経費でございます。12億8,250万円でございます。これは、移転までの間、卸売場の低温化や再配置を行い、市場取扱物品の安全、衛生対策の向上や物流の効率化を進めるための暫定整備に要する経費、及び老朽施設、設備の改修に要する経費でございます。

中村委員 
今、詳細にわたって説明をいただきました。その中で非常に大きな金額、防潮護岸整備工事25億、そして現在は移転完成がいつになるかわからないということで、現在の市場も当然快適な食を提供するために整備しなければならない、12億ですか、これは当然だろうと思います。
 ただ、その中で防潮護岸の整備25億とありますが、再来年ですか、15年以降の債務負担行為でも34億円以上を見積もっております。その具体的なやり方ですね、また場所等をご説明ください。

小山参事 市場予定地にかかる護岸のうち、現在「ゆりかもめ」等の建設が進んでおります有明運河側の護岸を14年度に引き続き15年度にも整備するものでございます。
 工事の実施方法でございますが、まずコンクリートの箱に土、砂等を詰め込んだケーソンと呼ばれるブロックを製作いたしまして、これを海底に沈めて護岸を構築していく。その後、護岸と既存の土地との間を埋め立てて緑地を造成する、こんなような実施方法でございます。

中村委員 先ほども話が出ました、市場の部分が東京ガス、そしてまた東京都、こういうものがまだ地権者であて、卸売市場が地権者でないという話の中で、なぜこの予算をのせるのかというのもあったわけですけれども、その準備の段階で色々やっていかなければならないということで説明があったわけです。
 先ほどの話の中で今、基本構想、そしてまた来年は基本設計、その後、当然実施設計ですか、基本設計、それから実施設計というふうになっていくわけでございますが、こういうのは具体的な、先ほどその予算は実施設計なり基本設計の時にまたその中で決めていくよという話であったわけですけれども、おおむねのスケジュールはある程度掴んでいると思いますし、そのスケジュールを組み立てていかなければ、この先へ進みません。
 確かに以前伺ったときには、5年間で土質の改良をしていく。そしてまた、その後、建物の建築に入っていく。したがいまして、最低でも10年ぐらいはかかるでしょう、またはもっとかかるかもしれません。それは逐一報告をしていくということになっておりますが、今現在、計画している基本設計、実施設計、このスケジュールをお示しできたらお願いいたします。

小山参事 おおむねのスケジュールをということでございます。ご指摘のとおり、14年度に基本構想、15年度に基本計画を作成して、新市場の骨格を明らかにしていくこととしております。この基本計画を踏まえまして、16年度に基本設計、これは17年度まで多少ダブる可能性もあろうかと思います。ダブりながらも17年度から実施設計等進めてまいりまして、土地区画整理事業終了を見ましてから着工してまいる予定でございます。
 なお、その間、都市計画決定等の手続等が入ってまいります。

中村委員  非常に長期の構想になっていく中で、16年といいますと、あと2年後には基本設計に入る。基本設計に入りましたら、ほとんど計画変更もできないような状態になっていくのは今までの工事の推の仕方なんです。
 そういう中で、先ほど話が出ました、業界8団体あって、その中で7団体は移転に賛成をしている、もう1団体の一部が反対をしている。その反対の声を聞いていますと、あの今度の豊洲の場所が安全とは言い切れないんだということなんですね。それは以前の委員会でも、6価クロムだとか、シアンだとか、ベンゼンだとか、有害なものが発見された。そして、それを全部入れかえるんですよという説明も受けました。
  ただ、その説明の中で、その方々は本当に安全な検査なんだろうかという、そういう一部の不安を抱いている。東京都が検査をして、その発表、確かに大丈夫なんだろうね、我々食を扱っている人間は、一部の不安でもあったら、そこでは商売できないんですよ。これは当然皆さんおわかりになる、自分たちの口に入るものですから、土の悪い所、そういういうところで販売されているもの、例えばお店屋さんで、下水が平気で自分の店の所を流れている、そういうところで物を買うかというのと同じような例えなんですが、そういった不安を一つでもなくしてもらいたい。その不安をなくすことが理解できたらば賛成をするよ。そうじゃない、今現段階では、なぜその建築、まず土地が安全だという保証があって、それから移転の話じゃないんですかという話をされたわけです。
 ただ、そうこういっていますと、現在の築地の市場、老朽化も激しいですし、それなりの設備投資をしていかなければならない。また、先ほど話がありました600万人から現在では3,300万人の対応をしているには、とてもキャパシティーが少な過ぎるということも当然その人たちは理解しています。ただ、一部の不安は安全な土地なんだろうか、そういうことを私ども聞きまして、これは安全な方法を確実にとっていくよ,だから心配しないでほしいというのも、小単位でもこれからご説明をされる、何回も説明していくということを言われました。そういうことも踏まえて、これからしっかりと土の問題、それからまた開かれた外国人の方、そしてまた観光客の方にも、そしてまた日本国全国民に安全な食品を提供できるような、この場所を設計し、完成し、実現に向けていって頂きたいというふうに思うわけでございます。
 ここまでいってしまうと、最後にやはりちょっと決意を聞かないといけないかなと思いますので、一生懸命取り組んでいくというような、そういう気持ちをぜひ述べていただいて、質問を終わります。

碇山中央卸売市場長 移転先の豊洲地区において土壌の問題があるということは事実でございますし、私どもこれまでもそのことにつきましては、基本的に回復可能というスタンスで臨んでおります。
 今、中村副委員長からお話がございましたが、業界団体の、先ほどの話ですと、それこそ0.5の部分の中での方々の中で、やはりそれが心配だという声は現に私にも伝わってります。私どもとしましては、改善可能であるということはもっと話すと同時に、そこら辺の情報につきましては、しっかりと伝えていきたいというふうに思いますし、加えて、どういう市場にするかということは、先ほど来当委員会でのご質問がございましたけれども、業界と一緒になって21世紀、あるいは22世紀に向けた市場というものについて、業界と一緒になって考えてまいりたいというふうに思っております。 以上です。