平成12年度公営企業会計決算特別委員会(H13/10/22)

中村委員 ただいまの話にも関連してまいりますけれども、平成13年4月の東京都卸売市場審議会の整備基本方針が説明があったわけです。その中で、築地市場の整備が必要である、整備検討を進めていくべきであるというのがありましたね。今、流通形態といいますか、消費者の食生活の多様化、こういうものが非常に多くなってきているわけですね。
 その中で、築地市場の再整備に対しまして、市場当局がこれからの食生活と市場のあり方、こういったものをどういうふうにとらえているのか、そしてまた市場機能、コンセプト、位置付け、こういうものをどういうふうに考えているのか、まずお伺いいたします。

小山参事 市場のこれからのあり方、築地市場の再整備のあり方、市場機能のあり方についてのお尋ねというふうに考えております。
 築地市場は、1200万人都民の台所であるとともに、3300万首都圏の基幹市場として機能しております。今後におきましても、引き続き重要な役割を担うことに変わりはありませんし、それを継続していくことが必要なことであろうと考えております。
 そこで、私ども豊洲の移転を考えておるわけでございますが、豊洲の新市場におきましては、まずIT化や流通のグローバル化を初めとする、将来の流通変化に的確に対応できる機能的な市場づくりを目指す、そういうことを考えております。また、生鮮食料品流通におけるコールドチェーンやHACCP対応など、食の安全、衛生対策を重視すると共に、環境問題に配慮した市場を目指していきたいというふうに考えております。

中村委員 今の答弁ですと、豊洲移転ありきということで、先ほどの川井委員からの質問の中でも、なぜ豊洲だったのかなと、私もまだ解せない部分がたくさんあるのですけれども、それはまた後ほど質問させていただきます。
 まず、市場の機能のあり方という中で、中央卸売市場の規模が、コンセプトの中で、どのくらいの規模、何ヘクタールくらいが一番望ましいのか、また、その立地的なロケーション、これはどういうところが一番いいのか、その辺のところも当然検討されて入ってきていると思うのです。その辺の検討の仕方、経緯をご説明いただきたいと思います。

小山参事 規模がどの程度が適当なのか、ロケーションがどういったところが好ましいのかといったようなご質問かと思います。
 私どもは、昭和61年に現地再整備を決定いたしまして、平成3年に工事に着手をいたしましたが、その後、社会経済状況が著しく変化をいたしまして、基本計画において前提としていた条件が大きく変わってしまいました。都といたしましては、生鮮食料品の生産、流通、小売段階におけるドラスチックな変化への対応、情報化や物流の効率化、衛生環境問題への対応、さらには、消費者の視点に立った新たな発想から見直しを考えた場合に、現在地では対応は困難だ、移転による抜本的整備が必要というふうに考えております。現在、生鮮食料品流通の変化は、少子高齢化やIT化等の社会状況の変化の中で、大きな過渡期、かつ変革期にございまして、その変化を十分見極めつつ、市場のあり方を今後整備をしていく必要がある、その整備の結果を豊洲市場の基本計画に反映していきたいというふうに考えております。

中村委員 今、市場の規模、果たしてこれから築地でそのまま対応できるのかということですよね。
 ただ、この前、他の委員会で、豊洲の開発する土地の土壌の説明がございました。その中で、その土地には六価クロム、ベンゼン、シアン、砒素、鉛、水銀、この6種類の科学物質が環境基準を超えていたという報告がされたわけです。これは、普通に考えたら大変な土地だなと、そこに生鮮食品、魚介類、そういうものの市場があっていいのかと、通常考えるわけですよね。
 ただ、その中で、東京ガスが土を掘り返してきれいにして、その上にまた土を盛るという説明がされましたが、果たしてそれが本当なのか、それで改善されるか、専門的なことは、私たちにはわかりません。ただ、そういう化学物質が含まれいる土地、非常に不安なわけですよね。
 若洲ゴルフリンクスを東京都でつくりました。あの時も、土中にガスか何かがあって、ゴルフをやっているところでは、タバコをすわないでください、そういうこともあったわけです。土というのは、1年、2年、5年で果たして改良できるのか、非常に不安なところを持っております。あえてまた豊洲というのならば、どのようにその不安を解消できるのか、その取り組み方を説明してください。

小山参事 平成13年1月25日に、東京ガスの方から、ただいま先生がお話になりましたような発表がありましたことは、そのとおりでございました。
 その土地に対しまして、東京ガスといたしましては、土壌汚染の原因者としてPPP原則、いわゆる汚染者負担原則に基づいて、土壌に含まれる物質ごとに適切に処理を行うというふうに発表をしております。
 具体的には、まず、主にベンゼンを含む土壌には場内でのバイオ処理によって浄化をする、2番目には、シアンを含む土壌は場内で加熱処理によって処分を行う、3番目に、その他の4種類の化学物質につきまして、場内での洗浄処理を行うとしております。汚染部を取り除いた場合には、汚染されていない土で埋め戻し、健全な土壌で回復するとしております。
 東京ガスでは、既に本年2月から処理を開始しておりまして、平成18年度中には処理を終える予定だと考えております。私ども、これによって土壌は回復されるものというふううに考えております。

中村委員 確かに自信を持って答弁をされているわけですけれども、非常に市民としては、不安というものは打ち消すことができないと思うのです。改良していく、これの報告を逐一してもらう、これは当然のことだろうと思います。ただ、今、土地がそうした不安な材料があるというにもかかわらず、築地移転に関して中央区と江東区に移転の協力を要請している、し始めてきた、そしてまた東京ガスとの基本合意がなされていると、どんどん進んでいってしまうわけですね。進めようとしているし、進んでいってしまう。何か検討する以前に、もうすべて土壌が出来上がってる中で、しょうがないから、どんどん上へかぶせてきている。危険な化学物質のある土地にも、そんなことほきれいにすればいいのだ、ただもうその場所が豊洲しかない、そういう大前提でこの話が進んでいるのかなというふうに、どうしても考えざるを得ない。
 その中で、やはり私たちとしては、都民の代弁者としている議員としては、まず築地市場が豊洲に移転ありきという前提ではなくて、すべてが安全な土地なんですよ、この土地がロケーション的にも、そしてまた1,200万都民に最大に有効な場所なんですよということを理解させることができてから、初めて作業を進めるべきじゃないかなと思うわけなんです。恐らく、答えは私の希望する答えにはならないだろうとは思いますが、土地の改善も、今のお話の中では、必ずやる、心配ないようにするといっておりますが、消費者の安全確保、そして食文化に対する安全に対して、再度ご意見を伺います。

小山参事 東京ガスさんの方には土壌処理を、都の環境局の指導を受けて進めていただいております。東京都は、その処理が完了した後に土地を取得するということでございまして、まったく問題はないというふうに考えております。
 また、中央卸売市場といたしましても、用地取得の際には環境局と連携し、生鮮食料品を扱う卸売市場の用地として支障がないことを確認するなど、先ほど先生がおっしゃいました、消費者の方々の心理も考えながら、万全を期して参りたいと考えております。
 なお、豊洲のロケーションにつきましては、豊洲の規模が市場に適合すること、それから今後の環境の問題を考えました場合に、トラック輸送だけでなく、船による輸送といったようなものも考えていかなければならない、そういった点を考えますと、やはり豊洲は最適なところというふうに私ども考えております。

中村委員 いろいろなことを考えて、築地よりか豊洲というお話であるわけなんですけれども、今一番話題になっているのが狂牛病ですよね。あれも、国の安全基準ですよという発表が18日に出されました。その以前に、食肉業者さんが国産牛は安全ですというチラシを配った。そしてまた東京都も18日以前に、東京都では4,500頭の牛、200事業所を全部検査しましたから大丈夫ですよといった経緯もあります。
 国と東京都、いろいろな検査のやり方が違うのはもちろんわかります。だからといって、東京都で安全ですよといって、もし何かあったらどうするか、その責任はどうなるのか。ただ単に責任者が責任を取るというだけではなくて、日本国民が病むわけですよ。そうしたときにどうなるのか、そこら辺も十分考えた上での今回の報道になっていかなければならない。それは簡単な、ただ単に、まず豊洲ありきだとか、もう築地を建て直すには大変なんだ、そういう発想では、もちろんいけないわけです。
 そういうことも踏まえて、土地を改良したのも確実に報告して、食生活の安全を確保できるような方向を取りながら、慎重に作業を進めていくべきであると。答えをもらうとまた同じ答えになりますからいいですけれども、私は最後に、これはより慎重に、重大な決意を持って進めていっていただきたい。何かあったらすぐ報告をし、また方向が転換できるような、そのくらいの決意を持って、この豊洲、慎重に対応していただきたい。これだけ申し上げて、質問を終わります。 以上です。