平成21年
環境・建設委員会 環境局委員会発言

平成21年3月18日

○中村委員 CO2削減について質問させていただきます。
 私どもは一昨年の十月、都議会民主党として地球温暖化防止対策のために、グリーンランド、そしてまたアイスランドを訪問してまいりました。その中で…‥・(「されてなかったりして」と呼ぶ者あり)ちゃんと報告書が出ていますから大丈夫なんですけど、自信を持って話ができるので、今こうやってお話をしているわけですけれども、その中で、グリーンランドの方々、いわゆる先住民族という方々がいらっしゃいまして、イヌイットという方々なんですけど、その方々にお話を伺ったところ、最近五年間の傾向として気温が上昇していると。それによって、今までグリーンランドという土地は雨が降らなかったんですけども、雨が降るようになってしまったと。そうすると自然形態が変わっていくというんですね。今までの雪しか降らない、氷が張っているところに雨が降ると氷が解けてくる。
それによってジャコウウシだとかそこの土地の牛たちが食べるものが違ってきてしまう。
また、氷の上に建っていた建物、これが地盤が緩んでしまって建物自体も崩壊していくという、そういうような状態になってきていると。この現状をぜひとも先進国の人たちにはわかってもらいたいというような話を受けたわけです。
 これは何が原因しているのかというと、やはり二酸化炭素、CO2の排出量がふえている、それによって地球が温暖化しているというようなことを理解してきたわけなんでございまして、それをぜひとも東京都でもしっかりと踏まえていただきたいと思うわけでございまして、昨年の都議会の本会議でも知事に質問をさせていただいているわけでございます。このCO2の削減、京都議定書にありましたこともそうですけど、CO2の削減、早急に実施していかなければならないというふうに考えているわけでございます。
 その中で、昨年の六月、日本で初めての温室効果ガス総量削減義務と排出量取引制度の導入など、地球温暖化対策の抜本的強化を目指す東京都環境確保条例の改正を行うなど、業務、産業部門における対策というものは非常に進んできているわけでございます。
 しかし、その一方では、家庭での対策といいますか、家庭での意識というのはまだまだ、CO2の排出規制、削減について意識が余り強くないというふうに感じるわけでございます。
 そこで、都としては、これまでの家庭部門における温暖化対策の取り組み、そして今現在の家庭部門での排出量というものはどうなっているのか、まずお尋ねいたすわけでございます。

○大野都市地球環境部長 都は、平成十四年に全国に先駆けまして、家電製品の省エネ性能をわかりやすく表示しますラベリング制度を創設いたしました。この活用によりまして、省エネ性能の高いエアコンとか冷蔵庫などの選択が進むように都民への普及活動を行ってきております。また、一昨年からは白熱球一掃作戦を展開いたしまして、電球形蛍光灯の普及を図るなど、家庭部門における温暖化対策に取り組んでまいりました。
 つけ加えますれば、きょうもいろいろとご質疑いただきましたように、来年度からは太陽光、太陽熱の普及についても取り組んでまいります。
 こうした取り組みを進めておりますけども、都内の家庭部門の2006年度のCO2排出量は東京都全体の二五・八%を占めております。これは全国平均で見ますと約一三%ですから、東京の場合、家庭部門のウエートが非常に大きいという特徴がございます。したがいまして、家庭部門の削減に向けましてさらなる取り組みが必要であるというふうに考えております。

○中村委員 今、家庭部門の排出量二五%強ですね。といいますと約四分の一が家庭からCO2が排出されているということで、改めて家庭の対策というのは大事ではないかというふうに考えるわけでございまして、その家庭から出ていくCO2を削減するために、省エネ、また節電、蛍光灯に取りかえたりとか、そういうようなものを意識させていかなければいけないんですね。その意識させていくために、先ほどほかの委員から出たように、学校でのアドバイザーをやっているとか、企業、団体に対しての省エネアドバイザーだとか、いろいろ制度を立ち上げているわけでございますけれども、その省エネアドバイザー制度というのは、今まで行ってきたのとこれから行おうとしているのと、普及啓発活動というんですか、これはどういうふうに違っていくのか、これを説明をお願いいたします。

○大野都市地球環境部長 都は来年度、省エネに関するノウハウをもちまして、また業務の中で家庭との接点を有する企業や団体と連携して、省エネアドバイザーの育成及び登録等を行いまして、各家庭の状況に応じたアドバイスのできる仕組みづくりを行ってまいります。
 これまでの普及啓発活動との違いでございますが、省エネアドバイザーは個々の家庭を実際に訪問するということがございまして、従来より一歩踏み込んで、家庭の内部から、その実情を踏まえたアドバイスをするということができます。こうした方法で、より実態に合った省エネの具体的なポイントや個々の状況に応じた適切な助言が可能になるというふうに考えております。

○中村委員 家庭の中に一歩踏み込んでアドバイスしていくというのは、非常に大事なことであるわけですけれども、世帯数も多いことですので大変なことだなというふうに感じるわけですが、ぜひとも率先してやっていただきたいと思うわけでございます。
 冷蔵庫一つとっても、あける回数を少なくするとかいろんな方法があって、余り物を詰め込まない方がいいとか、そういうのも一つ一つの積み重ねが大事になり、また家庭からの排出量が減っていくのではないかというふうに感じるわけでございます。
 そういうような東京都としての取り組みの中で、やはり一番身近な区市町村の役割が重要なこととなってまいるわけでございまして、今、四万世帯への普及活動を目標とした太陽エネルギー機器の利用拡大、それでは都の補助事業開始と歩調を合わせ、新たに補助制度を立ち上げたり、前年度の補助件数を引き上げるなど、施策の充実を図ろうとする区市町村も多いと聞いております。このことは太陽光パネルなどを導入したいという都民のさらなる後押しとなると思います。
 都では、温暖化対策等推進のための区市町村支援制度を立ち上げることといたしました。
先ほども質問されておりましたけど、私は、この支援制度を活用して、これまでの行政の支援が行き届かなかった家庭部門のCO2の削減施策の一層の充実を図るべきと考えるわけでございますが、温暖化対策推進のための区市町村支援制度では、区市町村の意欲的取り組み、幅広く対象事業としていくべきと考えております。見解をお伺いいたします。

○長谷川環境政策担当部長 若干重なる部分もございますけれども、温暖化対策等推進のための区市町村の取組促進制度におきましては、区市町村の意欲ある取り組みを幅広く支援するために、都があらかじめ区市町村に対して補助対象メニューを示す選択メニュー事業補助と、区市町村からの積極的な提案を補助対象といたします提案プロジェクト補助の二つの補助制度を用意してございます。
 選択メニュー事業における家庭部門に対する補助につきましては、区市町村が実施する家庭への設備機器の導入補助に都が協調して補助をすると、同額を一緒に補助するという仕組みでございますけれども、区市町村の意見も聞きまして、具体的なメニューといたしましては、エコキュートあるいはエコジョーズ、エコウィルといった商品名で販売されておりますCO2冷媒ヒートポンプ給湯器、潜熱回収型給湯器、ガス発電給湯器などのいわゆる高効率給湯器、それから燃料電池といったCO2削減効果の高い省エネルギー設備機器を対象とする予定でございます。
 一方、提案プロジェクト補助につきましては、区市町村が独自の創意工夫により行う先駆的な事業で、地域内外に波及効果をもたらす事業を想定しておりまして、都民の意識の向上や家庭での省エネなど、都民一人一人の環境に配慮した具体的な行動につながるような新たな提案を期待しております。
 こうした二つの補助を活用いたしまして、区市町村の意欲的な取り組みを促してまいりたいと考えております。

○中村委員 今、具体的な提案というのと、それから、身近な区市町村がもっともっと家庭に対しての提案、そしてまた支援、こういうものをやっていかなければいけないんではないかと思うわけです。それには東京都も全面的な支援、そういう体制をとっていけたら、家庭からのCO2の削減というのはもっと進んでいくのではないかと思うわけでございます。
 そういう意味では、来年度が家庭対策元年というべき年となるよう、それぞれの施策が実を結ぶことを期待しているわけでございまして、家庭での省エネを進めるためには、家庭の省エネ設備への転換や都民一人一人のライフスタイルの見直し、さまざまなチャンネルを使っての普及啓発を図るなど、地道な、そして着実な取り組みによって底上げを図ることが必要であります。
  今後、なお一層、区市町村などの自治体や企業、団体と連携を図り、省エネ対策を進め るとともに、機器の買いかえなどを促進するため、今後さらなるインセンティブの付与の検討を行うことを求めて、質問を終わります。