平成21年
環境・建設委員会 建設局委員会発言

平成21年3月17日

○中村委員 昨年の九月ですね、この上野公園グランドデザイン検討会の報告書、これができまして発表されたわけでございます。
 その中で、博物館とか美術舘、動物園などの文化施設が集積されており、上野公園を訪れる人の数は年間一千二百万人以上と、こう報告されているわけでございます。
その上野公園の中にあり、フランスの設計士、ル・コルビジェの作品であります西洋美術館、国立西洋美術館ですね、これが今ね世界遺産に登録されようとしているわけでございますが、その西洋美術館でも写真展やシンポジウムなどの取り組みが行われているわけでございます。
 また一方、地元でも、商店会や町会、観光連盟等でものぼり旗、横断幕など、またイベントなどが行われて、連携してこの世界遺産登録に向けて取り組んでいるわけでございます。
 また、三月十五日には、上野の中央通りに七年かけて工事が行われておりました地下駐車場、そしてまた地下歩道が完成いたしました。三月十五日には石川委員長、そしてまた道家局長が出席をして盛大な式典が挙行されたわけでございまして、上野にとっても待望久しかったものが完成して、非常に喜んでいるわけでございます。
 それが、きのう月曜日、三月十六日からいよいよ開業いたしまして、三百台の駐車場というのはかなり大きな駐車場でございまして、上野はなかなか駐車場がなくて山に、文化ゾーン、上野の公園に来るお客さんも、子ども連れでも、なかなか車をとめるところがなくて不自由を来していたというのが現状でございまして、そういったものも含めて、上野公園のグランドデザインの実行に当たってのこの駐車場というのは、非常に有効であるんじやないかなというふうに考えるわけでございます。
 そうした現状の中で、この報告書には、日本の顔となる文化の森の創造というものを上野公園の将来像として示しておりまして、その実現に向けた施策が示されております。
 そこで、この上野公園グランドデザイン報告書を受けて、今後都として上野公園の整備にどうやって取り組んでいくのか、これをお聞かせいただきたいと思います。

○小口公園計画担当部長 上野恩賜公園は、豊かな緑に文化施設や歴史資産が溶け込み、文化と自然が一体となった魅力あふれる公園であります。
 公園整備に当たりましては、上野公園グランドデザイン検討会報告書を踏まえまして、公園の基本計画を策定し、平成二十一年度は竹の台地区に上野公園の中核となる広場の設計を行う予定であり、平成二十三年度末の完成を目指してまいります。

○中村委員 竹の台広場といいますと、あそこは戦後間もないときは非常に不衛生な建物だとかいろんなのがあって、そういうのを整備しながら行ってきたというようなところでございまして、上野公園の魅力といいますか、上野公園の駅からの入り口部分に当たるわけでございますので、そういった整備も非常に公園の魅力の増進につながっていくんのはないかなと思いますので、ぜひ着実な整備を進めていただきたいなと思っているわけでございます。
 私も今話ししたように、上野で生まれ育って三十年、上野の観光連盟だとか商店会だとか町会の役員をやっておりました。今でもやっているわけなんですけれども、その中での念願といいますのが、上野の山とまちとのお客の一元化、融合性、回遊性、これをいつも念頭に置いてイベントなどを考えているわけでございまして、山に来たお客様、文化施設を見てその後、上野のまちにおりて回遊、お買い物をしたり、また飲食をしたりする。そしてまた上野のまちでは、いろんな国立博物館だとか西洋美術館、または科学博物館、そういう施設と協力いたしまして、上野でお買い物をしたりすると文化施設のものの割引になるとか、そういうような提携も今実際に行っているわけでございまして、お花見時期、また春、また秋、こういうシーズンのときにも非常に喜ばれているのが現状でございますので、そうした中でのこの上野公園の整備が進んでいきますと、もっともっと来街者がふえていき、また、まちにもお客様が来れるんではないかなと非常に期待しているわけでございます。
 そうした中で、このグランドデザインもありますし、また上野の山の中で特筆するというか重要な、私にとっては非常に重要な施設なのが、やはり上野動物園なんですね。私も小さいときから何回も行っております。特に私の家は上野動物園のすぐそばでございますので、そこを毎日歩いていきますと、夏休み、また春休み、そういうときには子どもたちが子ども動物園というふうな、ヤギに触れたりウサギに触れたりしているという、そういう姿を見て、やはりこの都心のど真ん中に上野動物園があってよかったなというようなのも強く感じているわけでございまして、その上野動物園、今、年間入場者数三百万人前後というように聞いております。毎日見ている、以前には七百万人のお客さんが来たときもあったわけなんですけれども、今は少し少なくなっているわけですけれど、毎日通っている中で、イソップ橋というのがありまして、動物園通りというのもありまして、そういうところを通っていきますと、右側に水上動物園と称するものがあるわけです。
 そこのところの整備が今かなり進められているわけなんですが、その整備について少し詳しくお知らせいただけたらなと思います。

○小口公園計画担当部長 現在、恩賜上野動物園の西園の不忍池のほとりで、アフリカ大陸の南東、インド洋にあるマダガスカル島の固有の動物を展示する施設の建設を進めております。
 これまで上野動物園では、アイアイやワオキツネザルなどマダガスカルの哺乳類六種を個別に展示してまいりました。新しい施設でこれらをまとめて展示することにより、マダガスカルに住む動物の特徴について来園者が理解を深めることができるようになります。

○中村委員 今、マダガスカルのアイアイ、ワオキツネザルというんですか、余りよくわからないんですが、それをまとめてといいますが、もう少し具体的に、何かわかりやすく説明していただけるとありがたいなと思います。

○小口公園計画担当部長 マダガスカル固有の動物をこれまでは動物園の中に個別に展示していたんですけれども、今回、不忍池のほとりにそうしたマダガスカル島の固有の動物をしっかり見られるように一堂に集めまして、お客様がそれらの動物について比較したり、マダガスカル島の進化が、固有な進化をしている動物でございますけれども、そういった動物が見られるように施設をつくっているものでございます。(「アイアイで何かありますかと呼ぶものあり)失礼しました。
 それで、先ほどアイアイという話がございましたけれど、アイアイにつきましては、夜行性の動物でございまして、明るさを調整しまして夜と昼の生態を同時に見られるように工夫をしますほか、アイアイというのは木の中にいる虫を掘り出して食べる性質がございます。長く発達した中指を使いまして、筒の中のえさを器用に食べる様子を間近に観察できる工夫も取り入れる予定でございます。
 それからワオキツネザルでございますけれども、これは原始的な獲の仲間でございまして、不忍池の中にある小島で、ウオ日中の展示場としまして日光浴をする姿などを間近に観察できるように工夫いたします。
 こうした展示の工夫によりまして、新たな施設の完成が入園者の増加につながるよう取り組んでまいります。

○中村委員 非常に入園者に喜ばれるような方法をとらえているなと思います。
 北海道の旭山動物園も私行ってまいりました。なぜあそこがそんなに人気があるのかなと思ったのですが、確かにいろいろ工夫がされているようですけれども、私の感想を述べさせていただきますと、あそこには大きな観光バスが無料でとまれる敷地があるし、またほかにそういった施設、文化施設だとか子どもたちが楽しめるような施設がないというので、たまたまテレビに取り上げられて旭山動物園の方に人気が行ったんではないかなと。
あそこの小菅園長にも会ったんですけれども、非常に楽しい方でございますけれども、やはり上野動物園の小宮園長の方がすばらしいんではないかなというふうに、なんですけれども、そういう努力をされているというのは、私は非常にうれしいなと思います。
 今後、日本一の動物園でございますので、その魅力アップのためにいろんな施設整備、こういうものも取り組んでいくだろうと思われます。そういうものを今後のあるのか、施設整備、そういうものももしございましたら、考え方等もお示しいただけたらなと思います。

○小口公園計画担当部長 平成二十一年度からニカ年で、老朽化したホッキョクグマやアシカなどの動物舎と周辺を改修する予定でございます。
 動物舎の改修に当たりましては、ホッキョクグマが水中に飛び込み、ダイナミックに泳ぐ様子を間近で見られる展示や、広い水面をアシカなどが泳ぐ姿を横から観察できるよう計画しております。
 また、急な坂道となっている周辺の園路を緩やかなスロープに改修しまして、さまざまな位置から動物を観察できるようにすることを考えております。
 今後とも、動物が生き生きとした行動をする施設づくりに取り組みまして、動物園の魅力向上に努めてまいります。

○中村委員 ぜひとも日本一の動物園、歴史と伝統の上野動物園をさらに魅力アップにしてほしいなというふうに願っているわけでございます。
 そこで、先ほどマダガスカルの固有種の絶滅のおそれがあるアイアイ、ワオキツネザルですか、そういうのを保存して展示していく、そういう上野動物園の役割というのは確かにあろうかと思います。
 そうした中で、ほかにも地球温暖化により絶滅の危機に直面している動物が多数いると国際自然保護連合の調査にも示されているわけでございまして、今いったホッキョクグマもそうでございますし、また昨年の十月に上野動物園に来たスマトラトラ、それもやはり絶滅危惧種にのっているのを上野動物園に寄贈されて、そこで種の保存、保護育成をしていこうというわけでございまして、またもう一方では、上野のまちにとって大事な大事なジャイアントパンダなどもやはり絶滅危惧種に挙げられているわけでございます。
 そうした中でも、やはりパンダ、これがこのWWFというのがあるんですね、世界自然保護基金というのがありまして、いわゆる希少動物、それから絶滅危惧種を守ろうよ、そのための基金を集めようという、そのシンボルマークにもパンダというのが使われているわけでございまして、いわゆるシンポリックな動物であると。
そしてまた上野動物園、昨年の五月ですね、パンダ、リンリンでしたかが死亡しまして、それ以来その年の夏なんかは本当に入園者数が減ってしまったというような現状もあるわけでございます。
 そしてまた上野動物園にも、入り口を入るとすぐパンダの模型が置いてあって、そこに子どもたちが一緒になって写真を撮っている姿も拝見することができるわけです。
 また、地元のお店、商店街の方でもパンダがいなくなっちゃってつまんないね、パンダはいつ来るんですかという問い合わせまたは質問もされていて、商店街でもパンダ待望論が沸き上がっているわけでございまして、そうした中で、やはり上野動物園の飼育技術、そしてまた上野動物園でなければできない希少動物の保護育成、こういうものも上野動物園でしかできないというふうに考えているわけでございまして、そういう中ではシンポリックなパンダをぜひ、地元は非常に熱烈歓迎なわけでございますが、いろいろあるのは承知しておりますが、地元の要望といたしましては、ぜひパンダが上野動物園に再び来れるように、東京都でもしっかりと進めていただきたいなと思っておりますが、これは要望にとどめておきまして、質問を終わります。