平成14年度 各会計
決算特別委員会
-平成15年10月24日(金)-

○ 中村委員
 それでは、私は、屋上緑化について何点か質問させていただきます。
 屋上緑化というのは、環境保全だとか温暖化対策の中で、非常に重要な柱でもあります。自然保護条例でも、敷地面積が千平米以上の新築や改築の建築物に対して、緑化を義務づけているわけでございます。きょう配布になりました資料を見ましても、年々届け出件数がふえている。そしてまた、緑化面積も、平成十二年度に比べますと、約三倍近くにも広がっているという、非常にいい結果を見ているなというふうに思うわけでございます。
 この屋上緯化、新築、改築の建物に対して、今行われているわけですけれども、既存の建物についても普及を図るべきではないかな、そういうふうに思うわけです。それには、東京都がみずから率先して屋上練化を推進すべきであると思うわけでございます。
 昨年、議会棟の屋上緑化工事をいたしました。私も屋上へ行きまして、見てきまして、工事が終わったときに、我々都議会民主党の会派で視察をさせていただきました。非常に立派、そしてまた雰囲気もよくでき上がっていたわけですね。その中でも、また太陽光発電だとかも設置されて、なかなか費用をかけた − 五千万近く費用をかけているわけですけれども、かなりかけただけのことはあるなというふうに思ったわけでございます。ただ、五千万かけたらもっとすごいものもできるんじゃないかなという、そういうのもありましたが、そういう中で、屋上緑化を議会棟につくつたわけでございます。
 その本来の屋上緑化の目的、そして議会棟の屋上緑化の内容と、またその緑化をしたことによる効果について、まずお尋ねいたします。

○ 百合都市地球環境部長  
 屋上緑化でございますけれども、都は、ヒートアイランド対策などの推進のために、都庁舎グリーン化プロジェクトの一環といたしまして、都議会議事堂の屋上を緑化し、あわせて太陽光発電設備を設置したところでございます。
 議会棟の屋上でございますけれども、北側と南側の双方に対称に配置をしておりまして、緑化面積につきましては、合わせて七百七十平方メートル、それから、東京都産の苗木を活用いたしまして、十九種、約二万株を植栽してございます。
 平成十四年十月七日に完成したところでございますが、議会棟の屋上は、都庁舎を初めといたしまして、周辺の高層ビルからも眺めることができるということもありまして、都民の普及啓発としても効果を上げているというふうに思っております。また、これまでに、多くの方々にも見学をしていただいているところでございます。

○ 中村委員 
 周辺のビルからよく見えるというんですけれども、余り、どうなのかな − そしてまた、都第一本庁舎の展望重からもすぐ見えるわけじゃないんですよね。のぞき込まないとなかなか
見えないな、そういう点もありますけれども、やったことの意義はかなりあるのではないかなというふうに思うわけです。
 そうした中で、特に都心部、二十三区の地区ですね、それの方にはまだまだ緑が少ないんではないかなというのが、私ビもは現実に感じているわけです。多摩地区の方は、緑が豊富で、豊かで、自然があって、心が休まる。先ほどもまだいまだにタヌキがいるというような話もありましたので、そういうようなところとちょっと違うのが、この都心部、二十三区ではないかな。そこにもっと多くの緑を設置するべきではないかなというように思うわけですよね。
 屋上緑化を推進していくならば、この緑の少ない地区に積極的に率先して設置をするべきだというように思うわけですけれども、東京都の所有している施設、これまでに屋上緑化の実績、届け出件数だとか、緑化面積だとかもございましたけれども、その実績とどんな具体的な事例があるのか、そしてまた今後どのように進めていく予定があるのか、これもお知らせください。

○ 百合都市地球環境部長 
 都はこれまでも、都立高校、都立病院、都営住宅、水道局庁舎、下水処理場などにおきまして、屋上緑化を進めてきたところでございます。比較的規模の大きな事例としましては、江東区にございます東京都江東高齢者医療センター、また大田区にある都立荏原病院などがございます。
 本年度は、江東区にございます東京都環境科学研究所のほか、警察署四ヶ所、都立高校で四校、都営住宅団地の二団地五棟、それから水道局の営業所などの三ヶ所において、屋上緑化の実施をすることといたしております。
 今後も、本年三月に策定いたしましたヒートアイランド対策取り組み方針に基づきまして、屋上緑化を推進してまいりたいというふうに考えております。

○ 中村委員 
 江東区だとか、そういうところ、非常に緑が少ないのではないかなと感じるところにも優先的に設置していくということで、非常にいい考え方であるな、いい方向性であるなというふうには思うわけでございます。ただ、そういう都有施設だけではいろいろ限界があるのではないかな。また、屋上緑化のできないような構造物、建築物もあるわけでございます。そうした中で、民間のところにも啓発していく必要があるのではないかなというふうに思うわけですね。
 例えば、台東区の事例をちょっと調べました。台東区では、十月一日に屋上緑化等助成金制度というものを設置したわけですね。その制度の中身にちょっと触れますと、二平米以上の緑化面積を持つ屋上または壁面、ツタだとか、いろいろなものがありますけれども、そういうところに設置するに対して、緑化をするに村して、助成をするよということでございまして、助成金の限度額というものは、ある程度の金額なんですけれども、屋上緑化に対しては最大四十万まで、壁面緑化、横壁の方には二十万円までというような助成制度も台東区の方ではつくつて、民間啓発というものをしていこう、そういう行政の姿勢があるわけでございます。そして、都心部、二十三区に多く緑をふやしていこうという考え方。
 東京都では、いろんな問題で限界もあるでしょうけれども、これから既存の建物、そしてそういうものを民間に普及していくには、どういうふうにしたらいいのか、それの取り組み方をお示しいただきたいと思います。

○ 百合都市地坪環境部長 
 委員ご指摘のとおり、既存の建築物での屋上緑化につきましては、新築と異なりまして、構造上の荷重の問題、コストの問題、維持管理などの点で、現状では非常に普及が難しい状況にあることは事実でございます。そのために、軽量、またローコスト、ローメンテナンスなど、既存の建築物に適応いたしました屋上緑化技術を開発し、普及させる必要があるという
ふうに考えております。
 こうした厳しい条件に対応いたしまして、かつ、ヒートアイランド緩和効果の高い屋上緑化技術法を開発するために、現在、重点事業の一環といたしまして、東京都環境科学研究所、産業労働局農業試験場及び建設局土木技術研究所が連携して、調査を実施しているところでございます。
 今後、これらの結果につきまして、広く民間事業者の方に情報提供するとともに、民間の既存建築物における屋上緑化の普及促進を図ってまいりたいというふうに考えております。

○ 中村委員 
 屋上緑化のことだけに絞らせていただきましたけれども、今後も、東京全体、二十三区、緑が多くなったら、どんなにすばらしいまちづくりができるんだろうなというふうに期待をしているわけでございますけれども、緑がふえれば、それだけヒートアイランド対策、温暖化防止、そ
れから環境保全、そういうのにもつながっていくわけでございまして、その緑を見ることによって、都民の心が潤い、また目を休ませてくれる。小学校の児童にも、録のあるところにこそ、昆虫類だとか、いろいろな花が咲いたりする、そういう情操豊かな子を育てていく相乗効果も当然出てくるわけですよね。そういうこともあわせまして、これは多方面、いわゆる民間だとか、そういうのにも積極的に働きかけるような取り組み方を、今後もぜひお願い申し上げまして、要望として、終わります。