警察消防委員会
(平成15年7月3日)

 中村委員 
 東京都安全・安心まちづくり条例についてお尋ねいたします。
先ほど机上に配られましたこの犯罪件数、見ますと、総数で三十万件を超える。また、その中でも強盗の件数、そしてまた窃盗の件数が非常に年々多くなっているわけでございます。中では、本当に凶悪な犯罪、外国人による凶悪な犯罪もふえているわけでございます。
 私の地元では、御徒町というところにジュエリータウンというのがあります。宝石屋さんの町ですね。数百軒ありまして、そのところにも外国人のいわゆる侵入強盗が多々あるわけでございます。
 一例を取り上げますと、夜間、シャッターを強引にバールのようなものでこじあけて、ショーケースをたたき割って中の宝石類を持ち去ってしまう。そこで経営者の方がいたり、またはお店の方がいたりすると、その人たちに襲いかかって危害を加えて逃げていってしまう。その間、所轄の警察に聞きますと、二、三分で作業が全部終わってしまって逃げていってしまう。幾ら警備会社との契約をしていても、警備会社が来てもとても間に合わない。そういうような悪質な事例が多くなっているわけでございます。
 その中で、御徒町のジュエリータウンでは、防犯カメラを地元の人たちで設置しようという動きが出てまいりまして、今申請をしているわけでございます。地元の人に聞きますと、防犯カメラもいいけれども、やはり一番頼りになるのは警察官なんだと。特に、交番に行くまでに時間がかかったり、また空き交番になっている現状が多々あるわけでございまして、その空き交番を何とか解決できないだろうかという訴えを聞いているわけでございます。
 今まで日本は、世界で一番安心、安全な国であるといわれてまいりました。その神話が今もろくも崩れ去ろうとしているとき、この安全・安心まちづくり条例、今こそこの条例を制定して実施していかなければならない、このように考えるわけでございます。
また、都と地域と住民が一体となって犯罪から守っていく、また犯罪を起こさせないというようなまちづくり、こういうものをつくり上げていくのが一番大事ではないかと思っているわけでございます。
 その中で、今現在、本会議でも説明がありました、都内で942ヶ所の交番の中、207ヶ所の交番が空き交番であるという実態がわかったわけでございます。その交番、一番地域の人たちが頼りにしている交番、そこに行きますと、交番もかぎがかかっているところもあります。または、あいているところは、その中に入って、地域の人たち、地元の人たちが電話をかけて、今こういう状態ですというふうに連絡しなければ所轄の方に伝わらないというのが現状です。ただ、地元の人は、交番の中に入って電話機をとって連絡するというのは、なかなかなれなくて非常に不自由をしているのが現状であります。
 そこで、一つ提案でございますけれど、交番の外側に家庭にあるインターフォンみたいなものがありますね、カメラつきのインターフォン、そういったものを設置して、所轄または近隣の常駐交番、そういうところと連携がとれないものだろうか。インターフォンだったら、どなたでも簡単に押すことができる。そして困っている人の顔もわかる、大変なんですというのがすぐ連絡がつくような、そういうシステムをつくり上げられたら、空き交番 ─ 確かに常駐ですと四交代で八人、最低でも必要だというふうにいわれています。所轄でもなかなか人数が足りないという現状を私も認識しております。ならば、空き交番対策としてインターフォン形式の通報連絡システムというものができないであろうかというふうに考えるわけですけど、それについてお答えいただきたいと思いますが。

○ 濱口地域部長
 ご質問の趣旨にあります防犯用の通報カメラシステムにつきましては、情報サービス自動案内ハイテク交番、略称ハイテク交番を既に一部の交番に導入しておりまして、空き交番対策及び都民サービスの向上を図っているところであります。
 ハイテク交番は、当初、夜間に警察官が不在となる交番に配置することといたしまして、平成8年度に6警察署の13交番に、平成11年度には2警察の2交番に設置しました。その後は、業務量の多い交番の負担軽減も加味して、逐次設置交番をふやし、現在は23警察署39交番に設置しております。
 ハイテク交番の主な機能は、都民の皆様が緊急時にタッチパネルで本署の警察官と直接テレビ対話ができるほか、地理案内、困りごと相談等の都民サービスにも対応しております。
 このハイテク交番の導入は、ご質問の空き交番対策の趣旨にも沿ったものでありますから、今後とも、ご指摘のとおり、システムの機能拡充及び設置場所を含めまして、必要に応じて増設を検討してまいりたいと考えております。

○ 中村委員 
 ぜひ住宅地または盛り場等に積極的に設置をしていただきたい、このように念願いたしております。
 続きまして、第二章に、都民等による犯罪防止のための自主的な活動の促進というものがあります。これは、この条例に書かれている都と都民とそれから地域の警察が一体となって防犯に取り組んでいくという、そのような信念に基づいての条例でございます。
 今、私どもの住んでいる下町、昔は、隣近所、何をしているのかということは常に連絡をしていた。お味噌が足りなくなれば、ちょっと借りるよ、または、そこの家に訪ねていっても、その人、今お風呂へいってるよというような、常に連携がとれている、近所づき合いのある、そういう町があったわけです。それが、なかなか今、核家族、少子高齢化という中で、隣近所のおつき合いが希薄になってきてるのが現状であります。
 その中でも、商店会活動または町内会活動というのがこの東京では多く見られるわけでございまして、町内会活動では防犯部というのもございます。それが、夜または昼間、パトロールをしたり、年末年始の夜警だとかに活動しているわけでございます。また、商店会でも、商店街活動の一環として商店会パトロール、そういうものも行っております。そして、そういうパトロールを行っている中で、ここの家はおじいちゃんがいたね、おじいちゃん、今具合はどうなんだろうか、そういうような隣近所のいいおつき合いがあったわけでございます。ところが、最近ではパトロールをしていると、そんな格好で大勢で歩いていると商売の邪魔だとか、または迷惑だ、営業妨害だというようなことをいわれ、本来の安全な町を確保するための活動を阻害されてしまうというのが多々あるわけです。何で君たちは、町で勝手にそのような防犯活動ができるのだというようなことまでいわれるときがあるわけでございます。
 そこで、こういった町の人たちの意識の啓発、そういうものをなえさせないためにも、パトロールのときには警察官の随行、同伴というのも積極的に行っていただけないものか。そしてまた、これは、警察官から、警察署から押しつけて防犯パトロールやってくださいよということではなくて、町の人がぜひ、こういう活動をしているので、警察の方もお手伝い願えないか、協力をできないかといったときに積極的な協力をしていただきたい。
 そしてまた、それをどういうセクション、どういう部署に持っていったら、そういう対応をしてくれるのかというのも、少し今よりわかりやすい状態でお知らせいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

○ 友渕生活安全部長 
 防犯パトロールに対する支援と協力体制の確立等についてお答えいたします。
防犯パトロールは、ボランティアの方が自主的に参加し、地域住民に声かけを行うなどにより、地域の防犯意識を高めようとする趣旨のものであり、議員ご指摘のとおり、安全・安心まちづくりを推進していく上で大変重要なものと考えております。
 すべての防犯パトロールに警察官が同行することは人員的にも限界がありますが、警視庁といたしましては、今後、街頭警察活動を一層強化することとしておりますので、その中で地域における犯罪情勢を勘案しつつ、可能な限り、警察の力強いパートナーともいうべき住民の方々と連携を図っていきたいと考えております。
 なお、仮に悪質な嫌がらせ等にあった場合には、警察に速報していただき、警察として住民の危害防止に十分配慮してまいりたいと考えております。
また、住民との協働に関する恒常的な窓口としては、各警察署の防犯係がその機能を果たすことになります。

○ 中村委員 
 これからも積極的に協力をして、住民とともに協力して働いて治安を確保していきたい、このように願っております。
 最後に第6章にあります、学校等における児童等の安全確保についてお尋ねいたします。最近でもありましたように、関西の方の学校で不審者が侵入し児童を殺害、死なしめたというような事例もあります。その中で児童というこれからの日本を背負って立つ子どもたちの安全を確保するためにも今の学校の体制では非常に心もとない部分があるわけでございます。
学校の周辺に不審者がいたり路上生活者がいたり、そういうようなとこでの生徒、一生懸命勉強しているにもかかわらず、登下校時または、就学時に不安を感じるというようなことが多々聞かれるわけでございます。
 その中で、教師も一生懸命になって安全確保とともに教育指導をしているわけですが、そこにはやはり限界というものがございます。
そういう中で、今、国公立の学校には警察との緊急連絡システムも確立されたと伺っております。しかし、校門から不審者が中へ入ってきたとき、その通報システムのところまでに行くまでにどのくらいの時間がかかるか。例えば、校庭から職員室のある通報システムのところまで行くのに時間がかかってしまう。その間に危害を加えられるということは当然想定されるわけでです。
 私ども、せんだって、ある資料をいただきまして、トランシーバーによる、通信・放送システムというものを調査いたしました。トランシーバーを一つの学校で10台ほど持って、それが集中管理をして、館内放送にも届く、そしてまた最寄の交番にも届けられる、そういうようなシステムであります。
 守衛さんにそのトランシーバーを一つ持たせる、また体育の授業の先生のところにも置いておく、または校長先生または学生指導の先生、そういう人たちにトランシーバーを持たせて何か不審な者が校内に入り込もうとしている、または校内の様子をうかがっているというときに、トランシーバーによって連絡をして、注意を促すというようなことも大事ではないかというふうに考えているわけでございますが、そういう中で、学校の安全対策というものを都と警視庁では ─ 地域のPTAはもちろんそういう活動もいたしておりますが、都といたしましては、学校に対する安全対策というものをどのように考えるかお示しいただきまして、質問を終わらせていただきます。

○ 高嶋生活文化局参事
 学校におきます児童等の安全確保のための施策についてお答えいたします。
これまでも都は、警視庁と連携いたしまして、学校における児童等の安全を図るため、ソフト面、の対策としまして、学校職員を対象とした不審者進入時の防犯訓練や、また、児童等が犯罪被害に遭わないための安全教室を開催してきたところでございます。
 また、ハード面の対策といたしましては、異常発生の際、警視庁に速報される非常通報装置を、私立学校も含む都内の全小中学校に整備したほか、通学路における児童等の安全を図るため、こども110番の家の拡充を行うなど、施策を講じてきております。
 今後は条例の制定を受けまして、児童等の安全を確保するために行います、学校職員を対象とした防犯教室指導員養成等のソフト面における対策や議員ご指摘のような、学校内の緊急通報システムの整備などハード面における対策につきましても、警視庁と調整を図りながら、条例を具体化する指針の策定や事業の実施に反映していくとともに、これらに必要な情報の提供や技術的助言を積極的に行うよう努めてまいりたいと考えております。