警察消防委員会
(平成15年2月28日)

私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成15年度予算に係わる議案について、意見の開陳を行います。
 
 まず本予算案は、「成長なき構造改革」の小泉内閣の下では、都税収入は14年度に引き続き落ち込み、一般歳出も前年度比1016億円、2.3%減の4兆2747億円という極めて厳しい内容となっています。財政状況の厳しさは十二分に理解していますが、政府予算が「歳出構造
改革なき総縮み予算」となり、脱デフレにはほど遠い予算となっている中で、こうした緊縮予算が全府県に広まるならば、デフレの負の連鎖を更に加速しかねないと危惧するものです。
 石原都知事は先の施政方針で、制度融資については、「今後の状況によっては、たとえ年度の途中であっても、更なる融資規模の拡大に踏み込むべき」とされましたが、経済動向如何では都債の追加発行による投資的経費の増額も考慮すべきであると考えます。
 緊急の都政課題に対する対応として、中小企業対策、雇用対策、都独自のディーゼル車対策、食の安全対策などを打ち出しており、これらは私たちの要望にも積極的に応えたものとして評価したいと思います。更に、今日、都民の関心の高い食品安全条例の制定についても、積極的に取り組まれるよう求めるものです。
 同時に、14年度最終補正予算で、男女平等推進基金を廃止し、財政調整基金に振り替えるという措置を講じましたが、この措置が男女平等推進施策の後退を招くものではないという東京都の見解が、15年度予算執行の中で事実として示されるよう求めておきます。

 一方で、私たち都議会民主党の長年の主張であった公会計制度改革については、昨年末に発表された都立学校別バランスシートに引き続いて、15年度新財務会計システム開発、18年度本格実施と更に具体的に進展することになっています。このことは同時に、私たち政党の側に法改正の責任を課すものですが、都議会民主党としても早期の法改正を積極的に働きかけていくことを表明させていただきます。
 今後限られた財源の下で、景気回復と財政再建を両立させるためには、より一層の財政構造改革が欠かせません。それは、私たち自身にも厳しい決断を迫ることにもなりますが、民主福祉の後退となることのないよう、知恵を出し、工夫を凝らされるよう求めておきたいと思います。

以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局に係わる事項について述べます。

●まず、警視庁についてでございます。
  • 来日外国人、暴力団等組織犯罪対策を強力に推進するとともに、銃器・薬物対策の強化を図ること。
  • 大規模災害やテロ犯罪など、重大事件に即応するための情報収集・集約機能を拡充し、必要な装備資器材の整備を図ること。
  • 大規模災害発生時に災害救助活動の拠点となる警察施設の整備、ならびに災害被害者救助等に要する装備資器材の整備を図ること。
  • 犯罪被害者支援要員の拡充をはじめとした犯罪被害者支援体制の一層の強化を図ること。
  • 情報通信技術を悪用したハイテク犯罪の急増に対処するため、コンピューター等の資器材の整備など、ハイテク犯罪対策の充実、強化を図ること。
  • 犯罪発生を抑止するためにも、盛り場等における軽微な犯罪にも迅速、厳格な対応に努めるとともに、防犯協会等の民間協力団体との連携を充実させること。
  • 都内交通緩和のためにも、違法駐車の徹底した取り締まりに努められたい。
  • 現警察官の働く意欲や士気向上のためにも、残業手当等の各種手ての完全支給、安定的な休暇取得などの処遇改善を図られたい。
●次に消防庁について意見をのべさせて頂きます。
  • 震災時の災害対応能力の強化を図るため、消防庁舎の耐震補強工事、耐震性防火水槽の整備並びに震災対策用装備器材ぼ整備を行うこと。
  • 災害活動時の情報通信体制の強化を図るため、無線デジタル化への移行及び各種通信機器の整備を行うこと。
  • 消防団活動体制の充実化を図るため、分団本部施設や装備資機材等の整備を行うこと。
  • 救命効果を高めるため、救急車の増強や救急救命士の再教育を推進し、救急活動技術の向上を図ること。
  • 地下鉄・地下街の災害予防対策を充実強化すること。
  • 防災ボランティアの育成と連携・協働のための体制を整備すること。
以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。